「好きなんだ」 それは、もうかれこれどれほど前のことだっただろうか。 ぼんやりと考えて指折り数える。 一年、二年、三年、四年…… 知り合った彼は、会社の取引先の人だった。 なんだかウマが合って、プライベートでもお互いに飲みに行った。 彼女が居ることは知っていたし、いいなとは思っていたけれど 仕事の延長と、友達の様に仲良くなれたらいいな、と。...
好きな人がいる。 かれこれ、何年彼のことを想い続けているのだろう。 もう……5年……7年……8年? 声をかけてくれる男性がその間、いなかったわけではないけれど 応じてしまうと、彼のことを諦めなくてはならない気がして…… 連絡先は、知っている。 連絡は、ほとんど返ってこない。...
土曜の朝。 いつもの習慣で早く起きて 朝ごはんを作って、夫の朝ごはんをダイニングテーブルにラップをかけて置いた。 子供が県外の大学に行ってから、夫婦ふたりの生活。 夫がまだ起きてこないリビングで、コーヒーを飲みながら新聞をめくる。 あら。 地元の水族館でイベントがやっている!
今日は会社の飲み会だった。 車で通勤のために、お茶でお付き合いをさせて貰う形で参加をした。 最近の仕事の話 社内コミュニケーション そういう意味では良かったと思う。 お酒が入ってくだけてくると、40代既婚者の男子社員がわいわいと雑談を話しはじめた。 「俺、コンパに誘われたんだけどさぁ」 「え!? そうなんですか!? どこのツテです?」...
結婚して、二年になる。 そろそろ、結婚をしなくてはならないんじゃないかと年齢的に焦ってきて、タイミング的に結婚をした。 大きな不満はなかったはずなのだけれど……。 朝。 ぼんやりとしている夫を起こして、朝ごはんを食べさせる。 「ねぇ、昨日ドラマでね」 声を掛けるけれど、彼は聞こえていないのかもくもくと朝ごはんを食べ続ける。 「聞いている?」...