結婚して半年がたつ。 「結婚して半年じゃ、まだ新婚ほやほやね。ラブラブでしょう?」 と、言われる。 「そんな、若い夫婦じゃあないから落ち着いたもんだよ」 と、答える。 夫との会話はほとんどない。 夫の仕事が忙しくて 朝ごはんは食べない派。 夕飯は会社で食べる派。 家に帰宅すると、 屍のように寝ているか 持ち帰った仕事をパソコンでこなしている。...
結婚して、2年と少し。 彼とは7年のつき合いを経て結婚をした。 切っ掛けは彼のご両親が「いい加減にどうするか決めなさい」と彼に話を振ったことからだった。 「別れる理由も無いっちゃないし、入籍するか」 というのが、彼のプロポーズだった。 変わったのは私の苗字だけで 日常的には何の変化も無かった。 慣れ親しみすぎた関係――...
子供も手を離れてきたので、週に何度かパートに出ることにした。 午前中から夕方まで。 夫のお弁当と一緒に自分のお弁当も作ることになった。 料理は好きだ。 食べることが好き。 手の込んだ料理も、楽しくて作っていた結婚当初だけれど 夫は……食事中は常に無言で、食事に対しては特に触れず 口に合わないものや嫌いなものの不満だけは話す態度に...
リビングでテレビを見ながら待っていると、 21時ころ、夫が仕事から帰って来た。 リビングダイニングに顔を出した夫の顔はひどく疲れていた。 「ご飯、食べるでしょ?」 夫のために作り置きしてある夕飯を用意していると 「そんなにはいらないから」 と、夫。 リビングに座り込むと、パソコンをカバンから取り出して立ち上げた。 「どうして?」...
土曜の朝。 いつもの習慣で早く起きて 朝ごはんを作って、夫の朝ごはんをダイニングテーブルにラップをかけて置いた。 子供が県外の大学に行ってから、夫婦ふたりの生活。 夫がまだ起きてこないリビングで、コーヒーを飲みながら新聞をめくる。 あら。 地元の水族館でイベントがやっている!
結婚して、二年になる。 そろそろ、結婚をしなくてはならないんじゃないかと年齢的に焦ってきて、タイミング的に結婚をした。 大きな不満はなかったはずなのだけれど……。 朝。 ぼんやりとしている夫を起こして、朝ごはんを食べさせる。 「ねぇ、昨日ドラマでね」 声を掛けるけれど、彼は聞こえていないのかもくもくと朝ごはんを食べ続ける。 「聞いている?」...
結婚をして五年になる。 子供もできて、大きな不満はそれほど無い。 今の夫との結婚は言ってしまえば「タイミングが合った」という感じだった。 ずっと好きだった人が結婚前に居た。 彼と恋人関係にはなれないまま……ずっと片想いのままに…… 一番好きな人とは結婚できないんだ そんな言葉と共に、今の夫と結婚をした。...
夫と二人でふらりと旅行に出かけた。 夫は真面目に働いてくれるし、 何より生活していくためには専業主婦となった自分にとって、夫の存在は必要不可欠だとも思っていた。 会話がズレている感触はあるものの、もうどれだけこんな夫と共に過ごしてきたのだろう。 そういうものだと思っていた。 子供が高校生、大学生になった頃、 家族旅行に 「バイトがあるから」...
結婚して、三年になる。 ようやく出来たこどもがすくすくと育って、お腹が大きくなりつつある。 それは幸せな命の鼓動。 ただ。 幸せがお腹で育っていくことと裏腹に 不安がどんどん育っていく。 こどもが出来る少し前から、夫とのすれ違いが増えてきている気はしていた。 こどもが出来た時も、どこか喜んでいる節が見えなかった気がする。...
結婚して20年近くになる。 子供も随分大きくて、手が離れて来た。 介護が大変だった義理の母も一昨年他界して、随分と日常は楽になった。 義理の母親は調子を崩してから、思うように動かない自分の体にも苛立ちがあったのだろう、よく八つ当たりのような事を言われた。 夫はたいした協力もせず、見て見ぬふりをしていた。