何のために一緒に居るのか解らなくて・・・



結婚して半年がたつ。


「結婚して半年じゃ、まだ新婚ほやほやね。ラブラブでしょう?」


と、言われる。


「そんな、若い夫婦じゃあないから落ち着いたもんだよ


と、答える。




夫との会話はほとんどない


夫の仕事が忙しくて


朝ごはんは食べない派
夕飯は会社で食べる派


家に帰宅すると、

屍のように寝ているか
持ち帰った仕事をパソコンでこなしている。


出張も多くて、家に居ることもあまりない。




なんとなく、想像はしていたけれど

これほどまでに会話が無くて
一緒に過ごす時間が無いとは




思っていた以上に、「なんのために結婚をしたんだろう」と思う自分が居ることに気が付いて――





『元気?』


つい。


5年も前に別れた元カレにメッセンジャーを送ってしまった

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私が悪いっていうの!?



結婚して、2年と少し。


彼とは7年のつき合いを経て結婚をした。


切っ掛けは彼のご両親が「いい加減にどうするか決めなさい」と彼に話を振ったことからだった。




別れる理由も無いっちゃないし、入籍するか



というのが、彼のプロポーズだった。

変わったのは私の苗字だけで

日常的には何の変化も無かった。




慣れ親しみすぎた関係――




最近、彼の挙動がおかしい。

長いつき合いだからこそ、解る「浮気」の香り……



多分、彼は浮気をしている……



どうしていいのか?
どうするべきなのか?

何で私は浮気なんかされなくちゃいけないんだろう?


つき合って5年目にも一度、浮気をされたことがある。

その時彼は謝ってよりを戻すことになったのだけれど……





会社の同期女子社員と、土曜日にランチをすることになった。
色々考えるよりは、気がまぎれるかもしれないと誘いに応じた。


食事中、彼女は大学時代の友人からの相談に辟易している様子で愚痴を言い続けていた。

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料理を作るのが久々に楽しくなってきたのだけれど・・・


子供も手を離れてきたので、週に何度かパートに出ることにした。


午前中から夕方まで。



夫のお弁当と一緒に自分のお弁当も作ることになった。



料理は好きだ。
食べることが好き。


手の込んだ料理も、楽しくて作っていた結婚当初だけれど

夫は……食事中は常に無言で、食事に対しては特に触れず
口に合わないものや嫌いなものの不満だけは話す態度に

料理の士気はどんどん下がって



手の込んだものは作らなくなってしまった



夫のお弁当はぞんざいに作っていたのだけれど
『自分が食べるもの』と思うと、ちょっとやる気が出てくる。

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こんな生活、なんだか本当につまらない……



リビングでテレビを見ながら待っていると、


21時ころ、夫が仕事から帰って来た。


リビングダイニングに顔を出した夫の顔はひどく疲れていた。


「ご飯、食べるでしょ?」


夫のために作り置きしてある夕飯を用意していると

「そんなにはいらないから」

と、夫。
リビングに座り込むと、パソコンをカバンから取り出して立ち上げた。

「どうして?」

食べなくちゃダメなんじゃないの?

というニュアンスで声をかけると、パソコン画面を見たまま

「コンビニのものを少し食べた」

と、夫は背中で答えた



適当なおかずとお茶を用意してパソコンの近くに置くと
夫は何も言わずにパソコンを見ながら箸をつけた



今日は、色々話したいことがあったのに……
いつもこんな感じ……


仕方なく、私もリビングに一緒に座りついたままのテレビに視線を戻した。

気分の悪いことは忘れて、テレビに集中しよう。



お気に入りのバラエティ番組で、毎週欠かさず見ている。

ひな壇の芸人さんが、あまりに気の効いた面白いことを言うので、つい笑ってしまった。



夫が冷たい声で言った。
テレビ、消してくれないか?


 

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一人で出かけるのもなんだかつまらない……

 


土曜の朝。

いつもの習慣で早く起きて
朝ごはんを作って、夫の朝ごはんをダイニングテーブルにラップをかけて置いた。



子供が県外の大学に行ってから、夫婦ふたりの生活



夫がまだ起きてこないリビングで、コーヒーを飲みながら新聞をめくる。


あら。
地元の水族館でイベントがやっている!

 

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結婚生活ってこんなにツマラナイモノなの……?

 


結婚して、二年になる。

そろそろ、結婚をしなくてはならないんじゃないかと年齢的に焦ってきて、タイミング的に結婚をした。


大きな不満はなかったはずなのだけれど……。



朝。

ぼんやりとしている夫を起こして、朝ごはんを食べさせる

「ねぇ、昨日ドラマでね」

声を掛けるけれど、彼は聞こえていないのかもくもくと朝ごはんを食べ続ける


「聞いている?」


少し声を大きめに掛けると、ぼんやりとした表情で「なに?」と返してくる


毎日深夜近い帰宅で、忙しいのは知っている。
だから、朝は辛いのも解る。


「なんでもない」


だから、何も話せなくなってしまう


夫はもくもくとご飯を食べて


「行ってきます」


会社に向かう。




誰も居なくなった家の中で……
 

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ただ恋をしたいだけなのか……それとも、私……

 

 

 

 

結婚をして五年になる。

子供もできて、大きな不満はそれほど無い。


今の夫との結婚は言ってしまえば「タイミングが合った」という感じだった。

 

ずっと好きだった人が結婚前に居た
 

彼と恋人関係にはなれないまま……ずっと片想いのままに……

 

一番好きな人とは結婚できないんだ

 

 

そんな言葉と共に、今の夫と結婚をした。


割り切ったつもりでも、どこか消せない大好きだった彼への連絡先はずっと携帯に残っていた


子供も幼稚園に行きはじめた頃……

 

ふと、手が空いて一人になった時間に……自分の衝動が抑えられなくて

 

 

 

つい

残されていた彼の連絡先に

 

メールを打った


 

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これから先の人生も、この人と一緒なのだと思うと……

 

 

夫と二人でふらりと旅行に出かけた。

 


夫は真面目に働いてくれるし、
何より生活していくためには専業主婦となった自分にとって、夫の存在は必要不可欠だとも思っていた。

 


会話がズレている感触はあるものの、もうどれだけこんな夫と共に過ごしてきたのだろう。

そういうものだと思っていた

 


子供が高校生、大学生になった頃、
家族旅行に
「バイトがあるから」
「友達と遊ぶから」

そんな理由で断ってくるようになった。

 

 


子供が行かないならと流れていた旅行だったけれど、
「二人で行くか?」

という夫の提案に、久しぶりに二人きりでの旅行となった

 

夫が運転する車の中で

ふと、二人になると一体何を話していいのか解らないことに気がついた

 

 

「そういえばね、お父さん。この前近所の○○さんがね……」

 

夫からの返事はない

 

「……っていうことがあってね。それはどういう意味? と思ったのよ。そんな言い方はないわよね?」

 

言っている間に、車がサービスエリアへと進む。

 

「何? サービスエリアに寄るの?」

 

ようやく、一言だけ返事が返ってきた。

 

「ああ」

 

 

車が駐車場に着くと、さっさと降りる夫
併せて降りる私

 

 

夫に悪気は無い。

 

こんなものなのだと思っていた

 


旅行先で寄った観光地で、長く続く橋を見て
スマホで写真を撮ろうと構えた私を置いて、夫はどんどんと先へ行く

 

「ちょっと……」

 

待ってと声をかけようと思って、やめた

 

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私の夫はひょっとして……

 



結婚して、三年になる。

ようやく出来たこどもがすくすくと育って、お腹が大きくなりつつある


それは幸せな命の鼓動




ただ。



幸せがお腹で育っていくことと裏腹に

不安がどんどん育っていく



こどもが出来る少し前から、夫とのすれ違いが増えてきている気はしていた

こどもが出来た時も、どこか喜んでいる節が見えなかった気がする



お腹が大きくなるのに連れて、夫の出張がやたらと増えた


出張から帰ると、会話もなくただ「疲れた」としか言わずにさっさと寝てしまう。

 
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私だってまだ……



結婚して20年近くになる。


子供も随分大きくて、手が離れて来た。


介護が大変だった義理の母も一昨年他界して、随分と日常は楽になった。




義理の母親は調子を崩してから、思うように動かない自分の体にも苛立ちがあったのだろう、よく八つ当たりのような事を言われた。

夫はたいした協力もせず、見て見ぬふりをしていた。
 
 
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なんだか私……独りな気がする……

 

 

結婚して7年の夫がいる。

子供が幼稚園と、お腹の中に子供が一人。


やんちゃな長女と、優しい夫と……それほど不満はなかったはずなんだけれど……


会社で転勤が決まったんだ。役職も上がるし、結果を出せば俺のやりたかった仕事が出来る。ついて来てくれるか?


住み慣れた故郷を離れることに不安は感じたけれど、


「応援するわ」


と答えた。

 

転勤して……まだ、近所に馴染めない

頼りの夫は仕事が忙しくなって、仕事の帰りは遅いし出張も増えた


娘は大好きなパパに構ってもらえなくて、よくゴネる。

さすが私の娘というか……まだ新しい土地でまったく馴染めない私の遺伝子なのか
娘も新しい幼稚園でうまく馴染めていないようだ。


今まで頼れていた親は遠い

妊娠中の体は、重い

 

手がまわらなくて、気力が足らなくて、出張で帰ってこない夫に弱音を吐いてみるも

 

そこをなんとか……頑張ってよ。俺も頑張ってるんだから

 

それは、解っているんだけど……


娘が幼稚園に行っている間に買い物に出かけて、自分の影をふと見かけて……

 

 

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夫と顔を合わせる時間がなくて……

 

 

 

 


結婚して一年になる夫がいる


彼とつき合った期間は一年だけれど、会った回数は案外と少なかった。

 

 

仕事が忙しいから。結婚したら、一緒に居られると思って

 


そんなプロポーズだった。

 

 

バタバタと結婚が決まって、簡素に入籍を済ませて……

 

一緒に生活がはじまったけれど……

 

 

彼はほとんど家に居ない

仕事に出て、帰ってきて、ただお風呂に入って会話も無く寝るだけ。


先ほど夫から届いたメッセージは
今日、やっぱり遅くなるから。夕飯適当に食べるからいらない


今日は早く帰って来るかもって言っていたから……鍋にしたのに。

 

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会話が弾むことが嬉しかったの……

 

 

 

 

バタバタと子供と夫を送り出して、洗濯、掃除、

 

家の中の植物に水をやり、なんだかちょっと元気がないわね。

寒いからかしら? なんてことを考える。

 

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秘めた恋をしている私は……

 

 

 


帰宅すると、家の中は既に電気が消えていた。

 

『今日は会社の人と飲んで遅くなるから』

そう言ってあったから、主人は夕飯もどこかで済ませて今は寝室で寝ているのだろうと思う。

キッチンに立ち寄って、水を一杯飲んだ。

 

主人に不満はない。

 

真面目な人だし
私のこともそれなりに大切にしてくれているし
こうやって遅くなっても、連絡さえ入れておけば問題なく受け入れてくれる。


私を気遣って保温状態のまま置かれているお風呂に入って

寝室に入ると、気持ちよく寝ている主人の寝顔。
いびきと寝息の中間の様な一定したリズムの音が聞こえる。

 

主人に不満はない

 

 

 

 

けれど、トキメキもない

 

 

 


主人の寝顔の隣で、スマホを取り出して、SNSのメッセンジャーを開いた。
今日一緒に時間を過ごした少し年上の会社の先輩にメッセージを送る。

『今日はありがとうございます。次の打ち合わせはいつぐらいを想定されていますか?』

奥さんに見られても怪しまれないように、仕事のような表現のメッセージを送る。
送ってから、メッセージのやりとりの履歴を消した。


既婚者の彼との関係がはじまったのは二ヶ月ほど前。


お互いに、言葉もなくはじまってしまった関係……


まだ、「好き」と言われたことはない。

「好きだ」と言われたことが無いから、私も言わないでいる。

 

主人の一定したリズムの寝息を聞きながら、私はスマートフォンを充電器に刺した。

ベッドに滑り込む前に、もう一度主人を見た。

 

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