夫と二人でふらりと旅行に出かけた。
夫は真面目に働いてくれるし、
何より生活していくためには専業主婦となった自分にとって、夫の存在は必要不可欠だとも思っていた。
会話がズレている感触はあるものの、もうどれだけこんな夫と共に過ごしてきたのだろう。
そういうものだと思っていた。
子供が高校生、大学生になった頃、
家族旅行に
「バイトがあるから」
「友達と遊ぶから」
そんな理由で断ってくるようになった。
子供が行かないならと流れていた旅行だったけれど、
「二人で行くか?」
という夫の提案に、久しぶりに二人きりでの旅行となった。
夫が運転する車の中で
ふと、二人になると一体何を話していいのか解らないことに気がついた。
「そういえばね、お父さん。この前近所の○○さんがね……」
夫からの返事はない。
「……っていうことがあってね。それはどういう意味? と思ったのよ。そんな言い方はないわよね?」
言っている間に、車がサービスエリアへと進む。
「何? サービスエリアに寄るの?」
ようやく、一言だけ返事が返ってきた。
「ああ」
車が駐車場に着くと、さっさと降りる夫。
併せて降りる私。
夫に悪気は無い。
こんなものなのだと思っていた。
旅行先で寄った観光地で、長く続く橋を見て
スマホで写真を撮ろうと構えた私を置いて、夫はどんどんと先へ行く。
「ちょっと……」
待ってと声をかけようと思って、やめた。
(撮影:比良井しほり's Mother 撮影機材:CA002)
じっとその橋を見ていると、これからまだ続く人生にどこか重なって……
私は夫とこれから先も長い人生を歩んでいくのだろうか……
そんなことを思ったら、なんだか複雑な気持ちになってきた。
夫の行動に必死に併せているうちに、あっという間に終わるような気がするし
まだまだ長い気もするし
こんな風に併せ続けるの?
私、どうしたらいいのかしら……
なんだかもやもやしてきたら
会いにきてください。
一緒に考えていきましょう!