喫煙者は肩身が狭い想いをしなくてはならない時代になってきた。
会社には喫煙ルームが設けられ、そこに喫煙者が立ち寄って煙草を吸うシステムだ。
ただ。
迫害されるほどに、喫煙者同士の「仲間感」というのは逆に強くもなる。
上司が喫煙者だったことは、私にとっては有り難い。
上司が喫煙所に立ち寄るのを見ると、時々追いかけてさりげなく煙草を吸いに行く。
直接的にフロアでは話しにくいことが喫煙所では話せるのが都合がいい。
抱えている案件の相談も、さりげなく意見が聞けた。
今日も、そんな感じで話をしていたのだけれど
「お前、出世する気ある?」
煙草をふかしながら、上司がさりげなく質問をしてきた。
「いや、さ。今度のあるプロジェクトに誰を推すかって話になっていて、お前の仕事ぶりを見ていると俺はお前を推したいなと思っているんだけど……」
「ありがとうございます!」
と、言うと上司は口の中でモゴモゴと言った。
「ただなぁ……そうなると出張が多くもなるし、ひょっとしたら転勤も出てくるんだよ。お前がもし結婚をする予定があるっていうなら、俺としても推せないんだよね」
え?
上司は慌てた様に言う。
「いや、こういうの、セクハラっぽく取られそうで困るんだけど……推したのに、出張が多いのは困るとか、途中で結婚して転勤が出来ないって話になると困るからさ?」
会社としては解るけれど、
――それは、酷だ。
戸惑った私に「考えてみて」と上司は立ち去った。
彼氏はいる。
結婚の素振りは無い。
私、
どうしたらいいの!?
上司に出世の話を振られてもやもやしてきたら
会いに来てください。
一緒に考えていきましょう!