会社で気になる人が居る。
といっても、彼はとても人気者。
東京から赴任してきたばかりの、私と同い年。
私の直属の上司にもなる。
高学歴、イケメンの高スペックな彼がまさかの独身で。
狙わない女子社員は居ないんだろう。
「先輩、先輩。係長、渋くてカッコいいですよね!?」
10も年下の入社2年目、我が部署のアイドルまでもが目をギラギラと光らせていた。
「ああいう、年上の人ってなんか頼れるって感じじゃないですか? あ。でも、先輩は同い年くらいだから、あんまり頼れるって感じは無いんですか?」
悪意があるのか無いのか、キャピキャピ笑いながら話しかけてくる。
正直、イライラする。
「係長、これはこのやり方で統一されているんです」
イライラを、つい係長にぶつけてしまった。
ツンとした態度だったろうに、係長は頭をかいて笑った。
「え? そうなの? ゴメン。今までのやつを見て無かった。支店ごとに色々やり方があるよね? 気を付けますね。また間違ってたら教えてください」
そして、「ありがとう」と微笑んでくれて
無駄だと解っているけれど、その時から係長のことが気になって仕方がない。
そんなある日のお昼時に
「先輩、聞いてくださいよ!」
と、我が部署のアイドルが声を掛けてきた。
「係長すんごい優しいんですよ! 昨日、仕事の相談をしたら一緒に飲みに行くことになったんです~」
と、スマホを私に見せてくる。
酔っぱらった二人が体を寄せて一緒に写っている、写真。
正直、相談なんて大したものではなかったはずだ。
係長も係長だ。
何を楽しそうに飲んだくれているんだか。
「もう、いつでもまた質問してねって言ってもらえて~。ホント、楽しかったんです~」
イライラする。
後輩と話していて、もやもやしてきたら
会いにきてください。
一緒に考えていきましょう!