「先輩、インスタってやってますか?」
会社の食堂でたまたま一緒になった後輩が、ふと声をかけてきた。
入社1年目のピチピチした彼女。
「お局」という印が頬あたりに書いてあるんだろう、私に気を遣って彼女なりに声をかけてきたのは見て取れた。
「あ、うーん。アカウントだけは取得したよ」
テレビのニュースにまでなる「#インスタ映え」というものに、乗り遅れてはならないのではないかと不安を感じ
ダウンロードをして、アカウントは作ったものの・・・
彼氏も居なければフォトジェニックな日常とは程遠い私は、使い方が解らなかった。
「先輩のアカウントフォローしていいですか?」
「いいけど……何もあげて無いよ」
ダウンロード初日にとりあえずわけもわからず撮影した
テレビと、机と、缶ビールの写真が一枚あるだけ。
何故か5イイネがついている。
アカウントのやりとりをして、彼女の写真を見てみると
「あ。この間~、彼氏と旅行に行ったんですよ~」
綺麗な景色とワタシ。
フォトジェニックなスイーツと可愛いワタシ。
彼氏と可愛いワタシ。
愛されている可愛いワタシ。
可愛いワタシ。
なんだ、自慢かよ。
なんだかもやもやして来たら
会いに来てください。
一緒に考えていきましょう!