7つ上の男の先輩と二人のプロジェクトを手掛けることになって。
先輩とは毎日遅くまで残業をして、
ずっと土日も返上で頑張ってきた。
一生懸命続けていたのに、道理の通らない上司が突然会議でプロジェクトを一蹴した日。
先輩の顔を見ずとも、
私と同じく間違いなく目がとがっているだろうと思った。
会議室を出た瞬間に、先輩と私は目が合った。
目で意思の疎通が出来たと感じた。
「お前、夜空いてる?」
目が座った先輩の問いかけ。
「会社裏の焼き鳥屋はどうでしょうか?」
目が座った私が答える。
先輩は表情を変えないまま、親指をただ立てた。
飲まなきゃやっていられるか!
「あんのくっそ部長ぐあああああっ!」
お酒を飲み始めて2時間を経過すると、もう二人そろって随分と壊れてきた。
「ありえねっす。ありゃあありえねっす。何ワケ解らんことほざいてるんでしょうね?」
「阿呆なのか、と。俺は阿呆なのかと言いたい!」
「阿呆なのでしょう! ええ、阿呆なのでしょう!」
会話がかみ合っているんだか、すれ違っているんだか
3時間を超え始めると、記憶も途切れ途切れで――
「でも、頑張ってましたよ。うちら、マジ、頑張ってたんで」
とか繰り返しながら、先輩の隣でふわふわと街中を歩いていたのは覚えている。
見慣れない部屋で、朝を迎えた。
知らない匂い。
隣で寝ている先輩。
見慣れない男物のTシャツを着ている私。
二日酔いの頭痛の中で、記憶を手繰る。
なぜか、知らないマンションのドアの前に先輩と立って
先輩がカギを開けている記憶がある。
髪の匂いを嗅ぐと、知らないシャンプーの香り。
お風呂は入っているらしい。
それから――ベッドの上で私の上に乗る先輩の……朧げな記憶。
え?
――ん?
え?
夢か?
夢、だよね……!?
夢――にしては生々しく身体にある感触。
「あぁ……飲みすぎた」
隣で先輩がかすれた声で呻いた。
え?
何!?
え!?
私、どうしたらいいの!?
気が付いたら誰かが隣に寝ていてもやもやしてきたら
会いに来てください。
一緒に考えていきましょう!