最近、少し家から足を伸ばしたところに新しく出来た小さな青果店があることに気がついた。 時に割高になるものもあるけれど、安く買えるときもあるし、置かれた野菜と果物は新鮮でおいしい。 ズッキーニが安い! これは買わないと! オリーブオイルで炒めて塩だけでも美味しいのよね! あ! キュウリが安い! ーーでも、5本セットだ……。...
彼とは知り合って、二ヶ月になる。 友達に誘われて行った飲み会で出会った人。 LINEの交換をして、 二日に一回はどうでもいいLINEを交わした。 内容なんてほとんどないようなLINEだったけれど、 そのやりとりはなんだか楽しかった。
会社の状況が変わって、リモート作業が多くなった。 飲み会はなかなか開催されなくなって。 月に一度はみんなと一緒に会えていた あの人とも会えなくなって―― ふと、突然訪れる孤独感。
『今年は、実家に帰らないから』 と、年末母にメールを打っていた。 結婚、結婚とせかされて そんな時期も過ぎて、むしろ諦められて・・・ 妹が子供を連れて帰るだろう孫中心の実家には、私の居場所が無い。 実家に帰らないつもりでいたので、年末年始に一人で旅行をするつもりで 貯金をはたいて中古で軽キャンピングカーを買った。...
『元気?』 彼から、LINEが来た。 こちらから連絡をしても、既読スルーにしかならないのに 相手からの連絡はいつも突然で それまでのことなど、まったくなかったかのように声がかかる。 今回は二か月も間が空いていた。 彼からの連絡は気まぐれ。 私は、遊ばれているの? 私のことなんだと思っているの? だから、連絡なんて返さない。...
つき合って、そろそろ三ヶ月になる彼が居る。 彼からの強いプッシュでつき合いがはじまったのだけれど・・・ 最近、彼からの連絡がーー少ない。
結婚して半年がたつ。 「結婚して半年じゃ、まだ新婚ほやほやね。ラブラブでしょう?」 と、言われる。 「そんな、若い夫婦じゃあないから落ち着いたもんだよ」 と、答える。 夫との会話はほとんどない。 夫の仕事が忙しくて 朝ごはんは食べない派。 夕飯は会社で食べる派。 家に帰宅すると、 屍のように寝ているか 持ち帰った仕事をパソコンでこなしている。...
会社の近くにセルフのうどん屋さんがあって そこで働いている彼を見るのが、無味無臭な私の日常のささやかな楽しみだった。 大学生だろうか? それとも……社員さんなんだろうか? その時私はかけうどんを頼んで 出てくるうどんと手元だけを見ていた。 ポンと近くに出された瞬間、つゆが少し零れて「嫌だな」と思った。 その時、 「あ。ごめんなさい」...
1人で何でもしなくちゃならない。 長女ってそういう教育を受けてきた。 お兄ちゃんは「長男だから」と色々と面倒を見て貰っていたけれど 長女だった私は、妹が出来た段階で 「お姉ちゃんだから面倒を見てあげなくちゃダメ」 に、なった。 お姉ちゃんなんだから、しっかりしなくちゃダメ。 そういう教育のもとで育ってきたせいか 人に頼るのは苦手で――...
30も超えてくると、女友達が減っていく――と思うのは私だけだろうか? 「同じ境遇を共にする仲間」というものを大切にしたがる女子にとって 結婚した者と 未婚の者とでは 気が付けば接点が途切れて 周りの友達が結婚した分、どんどんと友達が減っていくような そんな感覚に陥る。 休みの日に会う友達も随分と減ってしまって...